メッセージ

生きている間に言っておきたいこと。死ぬ前に言っておきたいこと。これらを言葉にしておきましょう。面と向かって言うのは照れくさいことでも、手紙のような形式であれば素直に伝えられるということあるのではないでしょうか。

生前に直接伝えられれば良いのでしょうが、人と人の間はそう簡単なものではありません。長年身近にいたからこそ、改めて言葉に出すのが難しい、ということもあるのです。

そうしたことを言わないまま、書きとめないまま「さよなら」をするよりは、きちんとした言葉を遺してあげれば、愛する人のその後の人生に大きな支えとなることでしょう。

感謝、ねぎらい、あるいは自分の本音。ネガティブなことはできれば言わない方が良いでしょうが、どうしても言っておきたいということであれば、あえてそれを書くというのも一つの考え方です。言われた方は当初傷つき反発を感じたりもするでしょうが、多くの場合、時間が経てばそのことを受け入れられるようになって行くのではないでしょうか。その過程で内省が促され、人としての「深み」が一段も二段も増すことと思います。

我々は小説家や脚本家ではないのですから、心の中にあるものを飾り気のない言葉できちんと伝えることこそが、結局は読む者の心にまっすぐ届きます。下手な技巧や小細工は、かえって白けさせるだけですよ。